「実家を売りに出したら、代金が入るまで何か月かかるのだろう」と気になっていませんか。施設費用や相続税の支払い、空き家の管理などが必要な場合は、入金時期の見通しを立てておきたいところです。
実家の売却期間は、準備を始めてから代金を受け取るまで、全体で3〜6か月ほどを見込むのが一つの目安です。ただし、家の場所や状態、売り出し価格によっては、半年から1年以上かかることもあります。
また、「買い手が見つかった日」と「代金が入る日」は同じではありません。売買契約を結んだ後も、買主の住宅ローン手続きや引き渡し準備に1〜2か月ほどかかるのが一般的です。

この記事は次のような人におすすめ!
- 実家の売却開始から入金までにかかる期間の目安
- 査定、売り出し、契約、引き渡しの段階別スケジュール
- 売却が長引いた場合の見直し方と、期限があるときの進め方
実家が売れるまでの期間は3〜6か月が一つの目安
不動産会社に仲介を依頼して実家を売る場合、準備から代金の入金まで3〜6か月程度を想定しておくと、予定を立てやすくなります。
大まかな内訳は、次のとおりです。
- 所有者や必要書類の確認、査定、不動産会社選び:2週間〜1か月程度
- 売り出し準備:1〜2週間程度
- 売り出しから買主との売買契約まで:1〜3か月程度
- 売買契約から代金の受け取り、引き渡しまで:1〜2か月程度
これは、権利関係や建物に大きな問題がなく、相場から離れすぎない価格で売り出した場合の目安です。相続人同士の話し合い、土地の測量、家財の片付けなどが必要なら、さらに時間がかかります。
空き家の売却日数には一律の基準がありません。都市部の家でも価格が高ければ長引くことがあり、地方の家でも条件が合う買主がいれば早く決まります。そのため、「何日で売れるか」よりも、段階ごとに期限を決めて確認するほうが現実的です。
実家の売却期間を4つの段階に分けて確認
1.売却前の確認と準備:2週間〜2か月程度
実家の売却では、不動産会社へ査定を依頼する前後の準備に時間がかかる場合があります。特に確認したいのは、現在の所有者と、売却にあたって誰の同意が必要かという点です。
- 土地と建物の名義は誰になっているか
- 相続した実家なら、相続人が確定しているか
- 共有名義なら、名義人全員が売却に同意しているか
- 住宅ローンや抵当権が残っていないか
- 土地の境界や建物の登記に問題がないか
- 家の中に残された家具や家電などをどうするか
亡くなった親の名義のままなら、相続登記という名義変更の手続きが関係します。査定を受けることはできても、名義や相続関係が整理されていなければ、予定どおり契約や引き渡しができません。
相続人が多い場合や必要書類が分からない場合は、早めに司法書士へ確認すると進めやすくなります。
実家の片付けや売却を含め、全体の進め方を整理したい方は、実家じまいの手順・費用・片付け・売却の解説もご覧ください。
2.査定から売り出し開始まで:2週間〜1か月程度
不動産会社に査定を依頼し、査定額や売却方法を比較します。その後、仲介を依頼する会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社に買主探しを依頼するための契約です。
査定額だけで会社を決め、相場より高い価格で売り出すと、問い合わせが入らないことがあります。査定額の根拠や販売方法、対象地域での実績も確認しておくと安心です。
売り出し前には、室内外の写真撮影や物件情報の作成も行います。室内に荷物が多いと家の状態が伝わりにくいため、写真に写る範囲だけでも整理しておくとよいでしょう。
3.売り出しから売買契約まで:1〜3か月程度
売り出しが始まると、不動産会社が広告を掲載し、購入希望者からの問い合わせや内見に対応します。内見とは、購入を検討している人が実際に家を見ることです。
購入希望者が現れても、すぐ契約になるとは限りません。価格や引き渡し日、家財の処分、建物の修理をどうするかなどを話し合います。条件がまとまれば、重要事項の説明を経て売買契約を結びます。
契約時に買主から手付金を受け取ることがありますが、この段階では売却代金の全額は入りません。まとまった代金を受け取るのは、原則として決済と引き渡しの日です。
4.売買契約から入金・引き渡しまで:1〜2か月程度
契約後は、買主が住宅ローンの本審査を受けます。売主側では、家財の撤去や引っ越し、抵当権を外す準備、必要書類の用意などを進めます。
決済日には、買主から売却代金の残額を受け取り、鍵を渡します。同時に、司法書士が所有権を買主へ移す登記手続きを進めるのが一般的です。
住宅ローンの残額や仲介手数料などを支払う場合、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。施設費用や住み替え費用に充てる予定があるなら、経費を差し引いた後の金額も不動産会社に試算してもらいましょう。
実家の売却が半年以上かかることもあるケース
売却期間が長くなるのは、買主探しに時間がかかる場合だけではありません。売り出す前の手続きで止まることもあります。
- 相続人が決まっていない、または相続人同士の意見がまとまらない
- 親名義の実家で、本人の意思確認が難しい
- 土地の境界が分からず、測量や隣地との確認が必要
- 建物の一部が登記されていない
- 家財が多く、片付けや処分に時間がかかる
- 雨漏りや傾きなど、建物の状態を詳しく調べる必要がある
- 相場より高い価格で売り出している
- 購入希望者が少ない地域にある
親が所有者の場合、子どもが家族という理由だけで自由に売ることはできません。親が売却内容を理解して判断できるうちに、本人の希望を確認しておくことが大切です。判断能力に不安がある場合は、不動産会社だけでなく、司法書士などにも手続きを確認する必要があります。
入金希望日から逆算して売却計画を立てる方法
代金が必要な時期が決まっているなら、売り出し日ではなく「決済日」をゴールにして逆算します。
- 入金希望日の6〜8か月前:名義、相続人、ローン、境界、家財を確認する
- 5〜6か月前:複数の不動産会社へ査定を依頼する
- 4〜5か月前:不動産会社を選び、売り出しを始める
- 2〜3か月前:反響を確認し、価格や販売方法を見直す
- 1〜2か月前:売買契約を結び、決済と引き渡しを準備する
- 希望日:残代金を受け取り、家を引き渡す
これは余裕を持たせた計画例です。売却は相手がいる取引なので、希望日までに必ず売れるとは限りません。税金の納付や施設費用など動かせない期限がある場合は、売却代金だけを当てにせず、ほかの支払い方法も含めて確認しておくと安心です。
税金の特例を利用したい場合も、売却日や相続開始日などの期限が関係することがあります。自分が対象になるか分からないときは、税務署や税理士に確認してください。
売り出しても決まらないときは段階ごとに見直す
売却期間が長引いているときは、すぐに大幅な値下げをするのではなく、どの段階で止まっているかを確認します。
問い合わせがほとんどない場合
売り出し価格、広告の内容、写真、物件情報の伝え方を確認します。近隣の売り出し物件と比べて価格差が大きい場合は、価格の見直しも選択肢です。
問い合わせはあるが内見につながらない場合
内見できる日時が限られていないか、不動産会社からの連絡に時間がかかっていないかを確認します。遠方の実家なら、不動産会社に鍵を預けて対応してもらえることもあります。
内見はあるが申し込みが入らない場合
内見した人が見送った理由を、不動産会社に聞いてみましょう。価格だけでなく、荷物の多さ、におい、修理への不安などが影響していることもあります。
ただし、売却前に多額のリフォームや解体を行うと、その費用を売却価格に上乗せできない可能性があります。工事を始める前に、不動産会社へ相談して需要を確認したほうがよいでしょう。
申し込み後に話が進まない場合
価格、引き渡し日、家財の処分、建物の修理など、どの条件で止まっているのかを整理します。買主の住宅ローン審査が理由であれば、売主側だけで期間を短くするのは難しい場合があります。
期限を優先するなら不動産買取も検討する
仲介で買主を探す時間がない場合は、不動産会社が直接家を買い取る「不動産買取」という方法があります。一般の買主を探す必要がないため、条件が合えば数週間程度で契約や決済へ進めることも可能です。
その一方で、買取価格は仲介で売る場合より低くなる傾向があります。早さと価格のどちらを優先するかを考えて選びましょう。
「最初の3か月は仲介で売り、決まらなければ買取を検討する」のように、切り替える期限を決める方法もあります。売却の相談先やサービスの違いは、実家の売却・買取サービスと選び方で確認できます。
実家の売却期間に関するよくある質問
- Q実家を1か月以内に売ることはできますか?
- A
条件が合えば可能ですが、仲介で一般の買主を探す場合は簡単ではありません。買主が早く見つかっても、住宅ローン審査や契約、登記の準備があるためです。期限を優先するなら、不動産買取の査定も並行して依頼すると比較しやすくなります。
- Q査定を受けた日から売却期間を数えますか?
- A
何に必要な期間かによって、数え始める日は変わります。買主探しの期間は売り出し開始日から、実際の予定を立てるときは査定や名義確認を始めた日から数えるとよいでしょう。入金まで考えるなら、売買契約後の1〜2か月程度も含めます。
- Q相続登記が終わっていなくても売り出せますか?
- A
査定や売却相談はできますが、相続関係や名義を整理しなければ、通常は買主への所有権移転を完了できません。相続人や必要書類の確認には時間がかかることがあるため、不動産会社と司法書士へ早めに相談するとよいでしょう。
- Q家具や荷物を残したままでも売れますか?
- A
買主や不動産会社が了承すれば売却できる場合もあります。ただし、仲介では引き渡しまでに売主が撤去する条件になることが一般的です。買取では、家財を残したまま相談できる会社もあります。処分費用が買取価格から差し引かれる可能性も確認してください。
- Q売れやすい季節まで待ったほうがよいですか?
- A
転勤や進学で住まいを探す人が増える時期はありますが、実家の地域や価格、建物の状態による影響も大きいため、季節だけで判断するのは難しいところです。空き家は管理費や固定資産税などが続くため、売却する方針が決まっているなら、準備を先延ばしにしないほうが予定を立てやすくなります。
まとめ:売却開始からではなく入金日まで考える
実家の売却期間は、準備から入金まで3〜6か月程度が一つの目安です。ただし、相続登記や境界確認、片付けが必要な場合や、買主が見つかりにくい地域では、半年から1年以上かかることもあります。
予定を立てるときは、売り出し開始日ではなく、代金を受け取る決済日から逆算しましょう。名義、相続人、住宅ローン、土地の境界、家財の状態を早めに確認すると、途中で手続きが止まるのを防ぎやすくなります。
期限が動かせない場合は、仲介だけに絞らず、不動産買取の査定も比較しておくと安心です。いつまで仲介を続け、いつ買取へ切り替えるかを家族で決めておくと、判断を先延ばしにせず進められます。




